170cmの正三角形の正体は
一辺の長さが170cmの正三角形です。
これなんだかわかりますか?
実はこれ天井の仕上げ材です。
なぜこんな形なのかというと、小屋の架構がすべて正三角形で組まれている、とっても珍しい建物だからです。
世界の第一線で活躍する某有名建築家設計の建物とのこと。
表面はシナ合板なのですが、裏に針葉樹合板を重ね貼り合せています。
シナ合板の面がそのまま仕上げになるので、キズ、汚れは厳禁です。
3×6板から切り出した直角三角形2枚を繋ぎます。
そして、その継ぎ目は寸分の狂いなく一直線になるようにと、、、ほんの僅かな隙間も許されません(-_-;)
プレカット工場への依頼としては、かなり無茶なオーダーですが、、、引き受けてしまいました!
製作枚数はなんと144セット!しかも納期まであと数日です。
非常に高レベルな要求なので、とても気を使う仕事になりましたが、頑張っちゃいました(^_^)v
まずは2枚のシナ合板を合わせてみます。
継ぎ目の隙間を見ながらカンナで調整します。
これがとっても重要で、この工程を省略すると後でどんなに頑張っても隙間はなくなりません。
隙間がないことを確認できたら貼り合わせ工程に送ります。
貼り合せ待ちのシナ合板です。
キズ防止のため表面どうしを向い合せてペアにしています。
ここから貼り合せの工程に入ります。
効率よく、また精度よく作業を行うため、試行錯誤の結果このような治具を作りました。
まずはシナ合板1枚目をセットします。下が表面になります。
シナ合板の表面を触るときは、手油がつかないように手袋をして作業を行います。
2枚目をセットし隙間がないことを確認します。
ここで隙間でできてしまうとすべてやり直しなので慎重に行います。
パネルボンドです。継ぎ目からはみ出ないように注意しながら、、、
次に針葉樹合板の継ぎ目を回転させて重ねます。
2枚目を重ねたら慎重に角を合わせます。
シナ合板の継ぎ目位置の墨だし。
重ねあわせたシナ合板と針葉樹合板をビスで留めていきます。
これで完成です!
継ぎ目はいかがでしょうか?隙間なく一直線になってるかと思います。
そして最後は梱包です。
なるべく安全に運べるようにこのような梱包としました。
あとは現場できっちり納まることを祈るのみですが、
とりあえず144セット納期厳守でミッションクリア!(^_^)v
こういった依頼は初めてだったので、製作方法の検討からスタートしました。
また、要求もかなり高かったので作業は大変でしたが、良い勉強になりました。
いろんな意味で良い経験ができたと思います。
これからも、加工・製作風景を紹介していきたいと思いますので、
興味のある方はときどきのぞきにきて下さい。
生産管理部・井上